水産加工食品の開発の要点
                日本海区水産研究所企画連絡室長 山澤正勝
新しい水産加工原料の開発
 近海性の多様性魚種のうち、まだ加工原料として十分に利用されていないものや、新規開拓漁場で漁獲される魚種、輸入魚などについて、従来の主要加工原料の代替原料として利用するための技術開発が求められています。そのため、アカイカの代替原料としてのアメリカオオアカイカの利用、ブナザケ、スルメイカ、サンマ、シイラ、トカゲエソ、カタクチイワシの冷凍すり身化技術の開発、マイワシやブナザケの臭いの改良などがあります。特にアメリカオオオカイカについては、苦く、酸っぱい味があるため加工原料として問題がありますが、この異味成分は塩化アンモニウムであり、小型のものは異味成分も少ないことが明らかにされています。また、加工によって著しく収縮することも大きな課題として取り組まれています。一方、産卵のために川に戻ってくるいわゆるブナザケはタンパク質分解酵素による肉質の軟化が大きな問題ですが、タンパク質分解抑制物質を利用することによってその分野が抑えられることが明らかにされています。
今後もこのように新しく開発される原料の特性を生かしたせ製品の開発は期待できます。
新しい技術の導入による魚肉の性状変化
 最近、超高圧処理したジャム、エクストールーダーにより組織化した水産ねり製品、ジュール熱を利用して過熱した水産ねり製品など、新しい技術の導入による製品が市販されるようになっています。魚肉の持っ味、匂い、色、テクスチャーなどの性状を、従来水産加工にあまり使用されなかった超高圧加工技術、エクストールダーあるいは微生物利用技術、などの新しい技術を応用し、魚肉の性状の改質、改善を行うことは、魚肉の付加価値を高め、かつ従来の食品にはみられないテクスチャーや風味をもつ製品の開発が可能になります。
 例えば、冷凍すり身を超高圧と加熱を併用し、各種条件下で処理することにより、ゼリー様、コンニャク様、ブリン様、玉子豆腐様など製品化が可能になってきています。しかし、超高圧装置にかかる経費、処理能力を考えると、商品化は今後の大量処理機械の開発にかかっています。また、マグロの残滓の有効利用にエクストルリーダーを使用し、シート状だけでなく、丸や角棒状の組織化物をつくることが可能になっています。さらに、イワシの臭気を抑制するために、酵母の培養菌体破砕液を添加することにより、ある程度の臭気の抑制が認められています。 (編纂:武田)
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