JAPANFOODNEWS
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佃煮・煮豆・調理食品
マーケット文化

TAKEDA

先人の業績を活かして明日を創造する
 佃煮は日本特有の伝統的な食品として全国的に親しまれて、各地でそれぞれの特色のあるものが生産されています。その名の由来は、東京都中央区の佃地区がその名が付いた時から始まりました。
佃煮は決して華やかな食べ物ではありません、どちらかと言うと地味な実質本位のイメージが強いのです。その栄養と保存性の高い特性は、日本歴史の社会変動のなかで、いつも大きな役割を果たしています。現在も東京都においては、災害用非常食としての指定を受けているのです。食品業界からの分類分けをしますと、煮豆や総菜などの仲間とともに調理食品という大きな看板のなかに入り、食品衛生の行政管理面では総菜として日常生活に溶け込んで消費されています。
佃煮業界の流れについては、 JFN(JapanFoodNews)の佃煮分類ページなかで、時代に即した動きを加えながら常時掲載しております。 現在の佃煮は調理食品という名称のもとに業界がまとまり、幅広く食品市場での広がりを示しています。かって佃煮の全国生産者団体として、日本佃煮工業協同組合という名称の全国組織がありましたが、昭和46年の春、健康的な調理食で知られています石井食品株式会社の創業者・石井毅一氏の先見性により業界の新しい方向付けとして、同組合は新しく全国調理食品工業協同組合に改称されました。 この時点から佃煮業界は、佃煮、煮豆のみならず幅広く総菜、調理の市場へと歩み始めたのです。その後、佃煮業界は着実に進展、時代に即した調理食品を作ることにより、少量生産でその店の調味技術を生かした老舗の佃煮も更に市場基盤を充実させることができるようになりました。一方、量販店、駅ビル、デパート食品売場、コンビニエンスストアーでの大衆価格で販売できる佃煮や煮豆を始め外食産業での業務用佃煮、煮豆、総菜そして冷凍調理済食品などと、いろいろな食生活の場面での需要が増え、業界の市場は大きく開かれていきました。生活環境の変化や厳しい経済状況のなかで調理食品としての佃煮の流通経路は大きく変わっていますが、消費需要は割合に安定した推移を辿っています。 佃煮を基本とした調理食品の企業規模は、各地の名産品としての地場原料での小ロットの生産者と量販店での販売をする場合でも多種少量生産の品揃えの販売を必要としますし、また素材の形態がはっきりしたものが多く、付加価値の取りにくい商品ということもあり、大半は中小企業特有の産業形態をなしています。
消費需要の面からは、流通システムや包装技術が進歩し、冷蔵庫など保存方法が完備されている今日では、佃煮は従来もちあわせていました日持ち、保存性の役割が薄れて、低温、低糖、無添加の製法による原料の持ち味を引き出した製品も多くなり、味覚と栄養のバランスがとれる健康的な食品として見直されています。 日本の食文化を代表するお正月料理「お節料理」の昆布巻、はぜ甘露煮、田作、きんとん、黒豆等も晴れの食べ物として佃煮生産者が誇りをもって生産する調理食品です。 詳しくは、食品大百科事典(独)食品総合研究所・に執筆しておきました。(武田平八郎)