世界で初めて 「塩酸メマチン」が、
高度アルツハイマー型痴呆治療として欧州で承認
 アルツハイマー型痴呆治療薬「塩酸メマチン」は、 EUの医薬品委員会(CPMP:Committee for Proprietary Medicinal Products)の勧告に基づき、欧州EU加盟国において、世界で初めての高度アルツハイマー型痴呆治療薬として承認されました。 同薬は、欧州ではドイツのメルツ社が、日本ではサントリー鰍ェ、米国ではフォレスト社が開発を進めています。今回は、メルツ社が承認を取得したもので、これを受けて、欧州での販売は、メルツ社及び、メルツ社とライセンス契約を結んでいるデンマークのルンドベック社により本年度後半より開始される見込みです。
 「塩酸メマチン」は、グルタミン酸受容体の一つであるNMDA受容体への拮抗作用を示す、新しいカテゴリーのアルツハイマー型痴呆治療薬であり、これまで上市された治療薬にはなかった高度アルツハイマー型痴呆の治療薬として、大きな期待がもたれています。日本においては、サントリーが、高度アルツハイマー型痴呆を対象に、欧州でのデーターを含む海外データを活用した臨床試験を開始しており、既に全国数十施設の医療機関において開発を進めています。日本での上市は、2005年頃にしています。
 また、軽・中程度アルツハイマー型痴呆については、2003年3月にサントリーと第一製薬鰍ェ共同開発及び販売提携契約を締結しており、近く両社での共同開発を開始する予定とのこと。
NMDA受体とは
 NMDA受体(N−メチルD−アスパラギン酸受体)とは、記憶と学習等に関与している脳内神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体の1つです。メマチンは、この受容体に作用し、グルタミン酸の過剰による脳内神経の障害や変性に保護的に働きます。

アルツハイマー型痴呆とは
 アルツハイマー型痴呆症は進行性の認知度機能障害が特徴的な脳の神経細胞の変性疾患であり、認知度(記憶など)行動異常や言語障害が現れ、症状の進展により日常生活に大きな支障を来す疾患です。
 アルツハイマー型痴呆症は、各国で数字に大きな違いはあるものの、65歳以上で20人に1人、85歳以上では5人に1人が発症し、このうち正確に診断を下されるのは半数以下であり、適切な治療を受けているもの10〜30%にとどまっているとされています。日本ではアルツハイマー型痴呆患者は現在120万人、高度アルツハイマー型痴呆患者は30万人と推計されており、今後、人口の高齢化に伴い増加することが予想されています。