わが国での珍味市場の推移
 珍味食品は、戦後、宴会や外食産業ビジネスが盛んになるにつれ、業務用の調理素材食品としての分野を広げ、ホテル、式場、外食産業へと大きく市場を伸ばしていきました。その食材も乾燥物、生物、和え物などから無味や味付けをした冷凍加工珍味食品と、その商品アイテムは数千種にも及んでいます。これらの珍味加工食品には、四季の味として生活に潤いをもたらすものが多く、上手に料理を演出しています。
 業務用にと創意工夫されてつくられる珍味食品も、消費需要が拡大されて、大量に作られるようになりますと量販店での惣菜やスナック菓子のマーケットで販売されるようになり、希少価値の珍味食品としての役割を終えてしまいます。大量に出回り大衆化されている食品を「珍味」ということは些かどうかなと思うものがありますが、大方の創意工夫された美味しい食品の前身は、かって珍味食品として持て囃されたものが多いようです。それだけ一般の食品はグレードアップしているということであろうか。
商取引面からの珍味食品の分類
特産珍味・・・・・・地場の特産物で、今後も開発されていくであろう希少価値のある加工食品。
伝統加工珍味・・原材料は少ないが、昔から伝統的な技法でつくられて、一般の嗜好に適合する美味しいもの(磯詰粒ウニ、このわた、からすみ等、希少性と手作業の工程のものが多い。
創作現代珍味・・原材料は割合に豊富だが、新しい加工により付加価値を生み出し、量産化されない段階にある嗜好性の強い食品を言います。これらの食品は市場性が高まり大量に消費されるようになると、多くは日常惣菜や菓子の市場での取り扱いになります。製品の加工状態によって生鮮調味珍味、乾燥珍味、業務用冷凍珍味に大別されます。

珍味食品業界では、少量で高価な伝統的な加工食品や同様な料理素材を高級珍味、大量生産され大衆価格を設定した嗜好性の強いものを大衆珍味、独創的な加工や調理の手間を省くために工夫された食材を業務用珍味と区別しています。
 消費者向け珍味食品か業務用向け珍味かの区分は、同じ製品でもその用途や取り扱う過程によって、いずれとにも区分できますが、多くは生産する段階において区分されています。

珍味食品は、生活環境に左右されることの強い食品ですが、美味しさを知ったら食欲をかきたてる要素を沢山もっている食品で心を癒すものがあります。
写真はヤマ食提供