2 珍味の手法としてのかまぼこ
かまぼこは、これから珍味の世界でかなり重要な領分を占めるだろうと見ている。そのわけは、上述のようにかまぼこの発想が珍味のそれと共通しているだけでなく、かまぼこが他に類を見ない自由な加工性をもっているからである。
 @ まず、魚肉のつぶし方、ねり方、添加する食塩の多少によって、生地の物性を自在に調整できる。
 A 魚の肉をすり潰してしまうから、元の魚の原形をとどめない、そのため、どんな魚でも使うことが出来る。鮮魚としてはもちろんのこと、他のどんな加工にも向かないような魚も、かまぼこなら生かして使うことが出来る。ということは、かまぼこは付加価値の幅が著しく大きいということである。
 B 塩ずりして出来る肉の糊(すり身)にはどんな素材でも配合出来る。穀物、豆類、芋、野菜、果物、 種実類、茸、畜肉、牛乳、鶏卵、魚介藻類、並びにそれらの加工品など、およそ食べられるものなら何でも。一緒にすり潰してよし、混ぜてよい。
 C どんな調味でも自由である。
 D すり込めるのでどんな着色も可
 E 肉糊は融通無碍で、どんな形にでも仕上げることが出来る。丸めてよし、棒状、紐状、フイルム状に 伸ばしてよし、串や板に付けよし、他の食材で巻いてよし、挟んでよし、詰めてよし、千変万化形状を変えられる。
 F 肉糊の濃度もまた自由。硬くも軟らかくも自在。
 G 肉糊を加熱凝固させる方法も自由。焙るか、鉄板の上で焼くか、茹でるか、蒸すか、揚げるかで、製品の色択、外観、食感に違いが出る。
  というわけで、これらの変化を組み合わせて出来るであろう製品のバラエティーは無限と言っても過言ではない。
(日本食品新聞社掲載資料より)
 珍味かまぼこ