イカの街・函館出身の
水産学博士・福田 祐先生に聞きました
 茶色のイカの褐変は、健康をヘルプする要素が含まれていて、更に自然の風味をたっぷり醸してくれるのです。

水産大学校教授 福田 裕博士
 次の研究発表は、褐変についての世界的な権威者の農学博士・加藤博通先生(元東京大学名誉教授)が、「食品褐変のプラス、マイナス」をテーマに日本食品新聞社(JAPANFOODNEWS)へ寄稿された加藤先生の論説の一部です。
褐変は品質にどのような影響を与えるか
 褐変は食品の品質を形成する上で必要な場合が多くあります。パン、クツキーなどの焙焼食品、くん製品、醤油などの醗酵食品の色と香りは褐変反応(主としてメイラード反応)によって形成されます。当然、味の形成にも関係していると思われます。われわれは食品の加工、調理においてメイラード反応の恩恵を受けているといってもよいと思います。これらの場合は酸化によらない反応であることが特長です。
そのほかに褐変反応によって、抗酸化性や抗菌性が発現します。たとえば、醤油を用いた佃煮は褐変物質によって油の酸化が抑制されています。
褐変物質の発ガン性物質抑制効果
肉や魚を焼くと発ガン性を持った物質が生成することが知られていますが、一方メイラード反応によつて生成する褐変物質(メラノイジン)は発ガン性物質の作用を止めてしまう効果を示すことがわかってきました。つまり、食品を加熱すれば種々雑多な反応が起り、無数の化合物が生成しますが、その中には発ガン性のものもありますし、その作用を抑制するものもあるわけです。一般に抗酸化性物質が発ガン性を抑制することがわかってきていますから、メイラード反応をうまく利用すれば健康維持にプラスになる食品をつくることもできると考えられます。
 メイラード反応によってタンパク質が変化すると、栄養価が低下することはよく知られていますが、欧米先進国やわが国の栄養過剰の状況下では、栄養価をある程度犠牲にしも健康上好ましいものを求める必要があります。メラノイジンは、全く消化吸収されない物質であり、また、褐変したタンパク質も消化吸収が困難ですので、丁度、食物繊維と同じような生理作用を有していると考えられています。
 パン、クッキー、せんべい、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、みそ、くん製、醤油、佃煮などの加工製品には、明らかにかなりの褐変反応生成物が含まれていますが、われわれの健康に如何なる影響を与えているのでしょうか。これらの食品に含まれる褐変物質は、それが生成した原料と生成条件が異なりますから生成物も異なっており、これらがどのような生理的影響をもっているのか、今後慎重に研究してゆく必要があります。
 これまでに行われた基礎研究の結果を総合しますと、食品中の褐変物質の生理作用には健康上プラスの面が多いこと、例えば制ガン効果のほかにも、糖尿病や肥満の防止、免疫機能増強作用などが期待できます。しかし、どのような食品をどの程度摂取すればどれだけの効果があるか、という点についてはまだ未知のことが多く残されています。


函館出身の福田先生にイカについてのお話を続けて頂きました。@
イカ加工の歴史

笑道会・番頭
  吉野史朗氏
てれすこ・すてれんきょう
 落語に「てらすこ」という話があります。ご承知の方も多いと思いますが、殿様に魚の名を聞かれた”物知り”が同じ魚を生の時は「てれすこ」、干物になってからは「すてれんきよう」だと言ったので、殿様の怒りに触れ、危うく打ち首にされそうになりました。ところが、いまわの際の遺言で「子々孫々に至るまで、決して干したイカをスルメと言うな」と言った頓知で命が助かるというのが、その落語の落ちです。
 スルメのスルよりアタルの方が縁起がよろしいようで「アタリメ」と行きましょうと言うが、スルメをおつまみにご酒を交わし「何事もスルリと行きましょう」とこれまた反論する縁起言葉、お後がよろしいようで!
スルメの歴史
 この様に、イカ加工品と言えばスルメが筆頭にきます。平安時代の宮中行事を記録したと言われる延喜式(922年)に朝貢品として既にその見ることが出来ます。更に、北条時代(1203〜1333年)には、コンブ、ナマコ、干しアワビ等とともにスルメは中国への貿易品として輸出されています。その産地として既に岩手県の三陸や北海道の渡島、桧山など今日の主産地もその頃から記録の中に登場してきます。そうしてつい最近の第二次以前までは漁獲されたイカの80%以上がスルメに加工されて来ました。冷凍設備がなく、水や動力輸送機関の利用が限られていた事を考えますと、これは至極当然のことです。つまりイカの歴史はスルメの歴史でもあつたのです。日本人の母なる味覚としてスルメの味に郷愁を覚えるのは、太古の時代からスルメに親しんで来たからです。
 一方、イカの加工を試みようにも生イカを安定的に手当することが出来なかった加工業者は、素材としてスルメの利用を考えました。そうして生まれたのが松前漬、刻みスルメ佃煮、伸しイカ、そして味付裂きスルメなど沢山あります。松前漬は江戸時代に松前藩において造られ、将軍に献上されて以来、現在も食されています。また、味付裂きスルメは今日の生イカを原料とする「ソフト裂きイカ」の開発の導火線となりました。


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