塩辛と美容強壮
 人は体と水のバランスで生命維持の栄養素を吸収しているとも言われています。生命の母は海である、と言われるのもそのためてす。人は程よい塩分がなければ生きられません。
古代人が貝を良く食べていたのは、食べ物として美味しい、しかも割合簡単に捕ることができたことにもよりますが、なにより貝に含まれている塩分を体が要求していたからです。
塩分の適量の摂取量は、厚生省の指導によりますと、1日10g以下が目標とされていますが、日本人の実際平均摂取量は12.8gとなっているようです。しかし一般に使用されている
イオン交換膜製塩法の塩は、健康に必要な色々な元素が除かれてしまっていますので、自然から抽出した塩で考えたいと思います。「よい塩梅(あんばい)」と言う言葉が、ちょうど良いことを意味するように、塩の適量摂取が快適な健康体をつくります。医学者の説によりますと摂取した塩の量は、同じ分量だけ排泄する働きを腎臓が行うとのことです。その働きぶりは0.1gから50gぐらいまでとのことです。程よく美味しく調味した塩辛は、体のバランスを保つ健康的な食べ物と言えます。
女王卑弥呼の活力の秘密
 日本列島は湿気が高く、降雨量も欧米に比べて数倍です。このような気象環境が、発酵食品文化を育むことになったのです。縄文、弥生時代の発掘されたもののなかには、醗酵食品を貯蔵した土器もあります。内陸部の人達は、動物の内臓から塩分摂取を生活の体験からえました。塩辛食の始まりです。塩辛が文字として記録されているものに、わが国最古の歌集・万葉集に「みげは御塩のはやし・・・」(みげはとは胃の腑)と鹿の塩辛のことが歌われています。酵素の力で醗酵させた魚肉や貝などは消化がよく、便秘を防ので日本国女王・卑弥呼も美容強壮の食べ物として、塩辛を好んで食べて多くの剛の者を従えていたのでしょう。日本人の平均寿命も世界一とまで言われるようになりましたが、その昔、紀元2〜3世紀頃の日本は「魏志倭人伝」によりますと、邪馬台国(日本)は「100歳、90歳の人も多く」素晴らしい長寿国であったとされています。身近な自然環境のなかで容易に採集される新鮮な山海の恵みや、脳細胞に活力を与えるグルタミン酸がたっぷりの塩辛類は、当時の人たちの活力の源でした。古い食生活の史料をまとめた本朝食鑑等にも貢物や物々交易には、カツオの腸、いか肉、あわびの腸、なまこの腸、ウルカなどの塩辛が盛んに出てきます。塩辛は熟成醗酵の過程で、原料の肉類が分解されアミノ酸化するために、味は勿論、香りも消化もよくなるのです。またビタミンAやB群、Dもあり、それにミネラルなどの含有も多いヘルシーな食べ物なのです。
美味しい塩辛の人気
 塩辛は塩と辛いの文字から、塩辛いことを連想されていましたが、量販店などで身近に販売されています塩辛類は、余り塩辛くなくお惣菜として、米食にも良く合い、美味しい食べ物として人気があります。その材料もイカ、ウニ、貝等を主原料に新しい食品として好評です。価格も買い易いものが多く、量販店、コンビニエンスストアー、デパートの食品売場などでもすっかりお馴染みの商品になつています。市の魚としてまでイカを推奨している函館市の函館特産食品工業協同組合の(平成6年)組合員が生産したイカ塩辛の生産額は、8,774トン、生産金額で47億円以上にもなっています。