心で味合う健康料理  @
                       H.TAKEDA 
料理は人間だけの知恵
 料理をすることは人間だけが持つ特技です。動物が本能的に食物を保管して自然に味が変わることがあるでしょうが、料理したとはいえません。また猿が酒をつくるというお話もあるようですが、これは木の実や果実が木の窪みなどで自然醗酵した酒のことでしよう。食物は自然のまま食べるという美味しさもありますが、煮たり、焼いたり、いろいろと料理することによって、さらに美味しく食べることができます。それに自然のままではあまり美味しくないものも調理したり、加工して美味しく食べることができます。このように料理することは素晴らしい人間の知恵なのです。そして料理は、時代の流れのなかで、歴史の所産を反映していく大きな力を持っています。
お行儀よく食べる始まり
 神代の時代からご馳走はつくられていたと思いますが、日本料理が技巧をこらしてほぼ完成するのは、今から1,000年ほど前の平安時代です。これらの料理は宮中や公家たちの形式を重んじた調理から始まり、四条流料理や武家の進士流、大草流なる流派が生じ、格式や作法を大切にするようになりました。
 次第に外来の文化の影響も加わり、日本料理の完成への基礎が作られていきました。仏教の伝来と共に精進料理が渡来します。禅宗のなかから簡素な懐石料理が生まれ、茶道のなかにも取り入れられる茶懐石として客人を持て成す料理となりました。華やかな公家料理や豪華な大名料理の手法も取り入れた饗応の料理として会席料理という高級な料理に発展していきました。ここでの「素晴らしい料理」とは、高級で技を尽くした料理のことだけではありません。毎日頂く、家庭料理や外食、中食のなかに、料理の素晴らしが沢山ありますよということです。
四条流包丁式
料理写真は潟с}食提供、参考資料・鞄本食品新聞社資料