まめmame

boiled beans
 (連載 15)





 日本人の平均寿命は世界一と厚生省では報告しています。[元気で楽しく長命に暮らす」その基礎条件を満たすにはいろいろありますが、なんと言っても、自ら健康管理を若い時から常に身に付けておくことでしょう。一朝にして長命の体力作りはてきません。元気な高齢者が多くなっている日本に、今、世界の目が集っています。特に歴史的なノウハウの日本型食生活について関心が高まっていますその視点は「穀物」と「魚介」と「野菜」の絶妙な組合せによる食生活です。中でも大豆を基本にしたものが、米国で再認識されています。つまり和食のタンパク質源が注目されているのです。日本での大豆は、伝来の食べ方や味噌、醤油、豆腐、湯葉、納豆、煮豆など食生活にすっかり溶け込んでいるものが多いのです。これらは21世紀の健康な食生活の可能性を予感するものばかりなのです。



大豆タンパクの摂取は、
心臓病になるリスクを減少させる
国産大豆は、ほぼ全量が煮豆や総菜、納豆、豆腐、味噌、醤油などの食品用に使われています。
資料協力 ・・・(財)日本豆類基金協会  鞄本食品新聞社 
東京都佃煮惣菜工業協同組合  アメリカ大使館
 1999年10月20日に米国食品医薬局(FDA)は、大豆タンパクを含む食品に対して「1日当り25gの大豆タンパクの摂取は冠状動脈性心疾患(心臓病)になるリスクを減少させる」と言う健康強調表示(ヘルスクレーム)を認可しています。
USB(the Uniteed Soybean Board)の年次報告書によれば、米国消費者の76%が「大豆食品は健康に良い」と認識しており、39%が「コレステロールを低下させる」「繊維質が豊富」といった大豆食品の効用に関心を抱いているということです。
 大豆には悪玉コレステロールを減少さ、善玉コレステロールを増加させる働きがあるイソフラボンがあり、いろいろと体の中で活躍してくれますので、更年期障害を和らげたり、心臓病のリスクを軽減させると言われています。
(アメリカ大使館・アメリカ農産物貿易局・グレート アメリカン フード ニュース)


 
 
  

KUBOTA information 




煮豆屋ものがたり 
これから連載します、煮豆屋物語は、
これまでに日本食品新聞に掲載されたものを、リニューアルしてまとめたものです
煮豆の商売の始まり・・・・煮豆を商売として始まったのは1817年頃とおもわれます。この頃の江戸町民は、食べることをかなり楽しんでいたようです。江戸市中には茹で豆を行商したり、いんげん豆の煮豆を売る店が繁盛していました。

昭和初期の煮豆売り

明治初期の煮豆売り(中央の車)

煮豆企業の始まり

 明治の中頃に現在の墨田区の森田なる人が、店員数名を置き、空豆の皮を剥いて、砂糖で調味したものを「開化隠元」 と名づけて、煮豆を東京市中に売り歩く行商人に卸をはじめたのが、煮豆の企業化の始まりです。
 「うぐいす豆」は、明治23年頃までは、南蛮豆、仏蘭西豆と呼んでいました。それを竹内なる人が、その煮方や味付をいろいろと考えて、三盆白(白砂糖をさらに精製した上等な砂糖)で煮て売り出すことに成功しました。煮上げた時、豆の色がちょうど鶯の羽の色のように仕上がっていたので、うぐいす豆という名を付けたのだそうです。

今より便利な
戸口配達のお総菜屋

 明治になると、東京のような大都会では、朝食の惣菜は、振売りからまかなうことが多かったようです。その頃の行商人は時計のように、決まった時間帯にやってきましたので、便利な存在でした。どうせ少しばかりなら、朝早くから起きて火を使うより、戸口まできてくれる総菜屋さんから買い求めた方が安上がりといった、昨今にも共通するような風潮がありました。その品数も菜豆、うずら豆、ぶどう豆、座禅豆、富貴豆をはじめ、はぜ、川えび、小魚の佃煮や梅干、紫蘇巻、たくあんなど沢山あり、食べるだけ買えるという誠に便利なものでした。

(資料は日本食品新聞の掲載記事より)


豆つて何だろう?
素朴な疑問にお答え
不思議なエネルギーの


豆の正体
 「豆粒のような」という言葉は、小さい事を譬えるときに良く使われます。あの小さな何の変哲も無いような豆には、何とも不思議なエネルギーが充満しているのです。
 ジヤツクと豆の木の話しではありませんが、大地に根をしつかりと張った豆は、大空に向かってどんどん伸びていく、新しい生命力の植物です。あの小さな豆の正体は、マメ科植物ガ大地に根を生やす活力源の栄養素でいっぱいの種子なのです。
 その成分はデンプン質やタンパク質、豆一粒は、いかなる食べ物より滋養が濃厚で、米の数百倍にも匹敵するとも言われています。
 豆の栽培はかなり古く、大豆は紀元前にすでに中国から日本に渡ってきています。

神話の時代
 五穀の起源は古事記によれば、オホゲツヒメの神の鼻から小豆が生まれ、尻から大豆が生まれたことになつています。平安時代に書かれたわが国最古の医学書「医心方」のなかにも豆の薬効や強精効果について説明しています。
 節分に豆を撒いて、鬼を追い出し、福を迎える行事も、豆で病気や災いを払い、健康な毎日を願ってのことからです。 
 人類の歴史と共に、豆はあらゆる方法で、食べ続けている古くて新しい未来へのヘルシー食品なのです。



豆の種類と栄養

5種に大別されます
 豆の種類といつても、その数は、それこそ豆粒の数ほど沢山あります。
しかし植物学的に分類しますと大豆類、あずき、いんげん豆類、
そら豆類の5種に大別されます。
栄養成分的に分類
 ●タンパク質および脂肪を主成分とします豆。
   大豆  落花生
 ●デンプン質およびタンパク質を主成分とします豆。
   アズキ  エンドウマメ  ウズラマメ  インゲンマメ
   ソラマメ
料理的な分け方の分類
 ●未熟なうちに採って食べる野菜として賞味する豆。
   サヤエンドウ  枝豆などがあります。
 ●完熟してから乾燥した豆を原料に、煮豆、菓子類として
   加工して食べる豆。
雑豆という言葉を時々聞かれることがあるかとおもいます。
 大豆、落花生、緑豆を除いた豆類を総称した呼名です。小豆、
采豆類、えんどう豆、そら豆、ささげ等があります。その品種は
多種多様です。その用途においては、成分的に類似している
こともあり代替性があります。

乾燥豆の成分

今、なぜの時代なのか
 豆料理が再認識されています。最近発表されました農林水産省の食生活指針のなかでも、豆類を他の栄養バランスの良い食品と組合せてしっかりと食べましようと推奨しています。
 豆が体に良い理由は沢山あります。美味しい食べ物として製造販売している方は、その特色を良く知っています。japanfoodnewsでは、生産者、販売者の皆さんのご協力によって豆について取材したり勉強をしています。さらに食べる方と一緒に「豆」についていろいろな角度から見直してみることにしています。豆についての変わった体験や暮らしに役立つことがありましたらお知らせ下さい。
 豆は神話の時代から艶とパワーの源

出雲の神話舞台
豆つて何だろう?広辞苑を開きますと「マメ科に属する植物のうち、ダイズ、アズキ、ソラマメ、エンドウマメなど実を食用とするものの総称」それに女陰。特に、陰核の総称だそうです。同じページにこんな言葉ものつていました「忠実男」と書いてマメオトコ(豆男)」。その説明は、実意のある男、まめやかな男、第二の解説が風流で色好みする男とあります。古事記にでてきます豆の起源は、神様の鼻から小豆、お尻から大豆が生まれ、これが豆の種という神話があります。ともかく神話の時代から豆は貴重な健康食品なのです。面白いお話も沢山ありますが、次の機会にしましょう。

 
 豆の料理
LUCK LUCK RECIPE
甘味とデザート

八宝飯(パーパオツアン)
あんともちこめ米で作る点心。中国版のおはぎです。

ロールケーキ
スポンジ生地を焼き上げ、青えんどうのあんを巻いた素朴な味のケーキです。あずきあんをコーヒー生地で巻いたものも同様にできます。


かるかん風蒸し菓子
鹿児島の郷土菓子のかるかんは、生地に山芋をたっぷり加えるのが、特徴です。これにあんを組み合わせて家庭的にアレンジしてあります。

あん入り冷やし白玉
季節の果物を彩りよく
取り合わせてあります。

塩あん入りごま団子
塩気のきいた、
さつぱりとした味のあん入り


  豆は手軽で
美味しい健康食
豆には、現代人が不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なのです。また、豆は低カロリーのタンパク質源として、太る心配もありません。ビタミンB1やB2が不足すると集中力がなくなつたり、疲れやすくなりますが、豆には脳の働きをよくするB1子供の成長に欠かせないB2が沢山含まれています。豆のタンパク質は、肝臓の働きを活発にしますので、酒の肴に豆料理は適しています。しかも低カロリーなので沢山食べられます。お酒との愛称も良い[美味健康つまみ]なのです。
お米とも良いお友達で、お米に不足している必須アミノ酸のリジンを豆は持っているのです。お赤飯、豆入り御飯は昔から知られている生活の知恵で、お米の栄養価を高めてくれます。
 豆にはトリブトフアンという必須アミノ酸や食物繊維がたっぷり含まれていますので、健康のバランスを守ってくれます。必須アミノ酸というのは、健康な身体を維持していくために体に取り入れていかなければならない有機化合物ですが、豆には豊富に含まれているのです。



豆のクキング ポイント     
もどす 
3〜4倍量の水で、しわのない状態
豆は、もどさなくても煮える小豆とささげ以外は、必ず3〜4倍量の水につけてもどします。つける時間は、おおかたのものが、一晩(約8時間)、花豆などのもどりにくいものは、これより少し長め、が基準です。
 冬はもどりにくいので、途中で火にかけ、いつたん沸騰させると、よくもどります。
 夏は長時間つけておくと、水がわいて豆が傷む心配があります。暑い時期にはもどりも早いので、しわがない状態になったら早めに煮るようにします。

煮 る
   ゆでこぼしと差し水がポイント    
 豆を煮るには厚手の鍋が理想的です。また、煮こぼれの心配がないように、深めのものを選びます。いずれの豆もつけ汁ごと火にかけますが、大豆以外の豆にはそれぞれアクがありますから、5〜10分煮たところで煮汁を捨てます。
そして、新たに豆が充分にかぶるくらいの湯を加え、紙ぶたをして柔らかくなるまで煮ます。煮ている間は、豆が湯から出ないように、途中で何回か水を加えます。
また、洋風の豆料理の場合は、クローブを刺した玉葱、人参、香草の束などを香りづけに加えると、いつそうおいしく仕上がります。
こうして柔らかく煮た(ゆでた)豆を冷凍しておけば、いろいろな豆料理に、いつでも手軽に使えます。
味つけ
柔らかくしてから調味を
 味つけは「豆が柔らかく煮えてから」が原則です。甘煮などの場合は、砂糖を加えて5〜10分ほど煮たら火を止め、完全に冷めるまでそのままおいて味を含ませます。砂糖を入れてから長時間煮ると豆がしまってかたくなるからです。味をしっかりつけたい場合は、5〜10分煮たら、豆を取り出して煮汁だけを煮詰め、豆をもどす、これを数回くり返して濃縮された煮汁につけて味を含ませ、豆には直接火を通さないようにする方法をとります。
 
財団法人日本豆類基金協会の提供


豆は”畑の肉“とも言われ健康な体力づくりに欠かせない高蛋白食品です。
豆を原料にした優れた加工食品は沢山ありまますが、その一つに日本の伝統食品としての煮豆が根強い人気があります。

見直されている豆の魅力

厚生省の発表によりますと日本人の平均寿命は、男女とも世界一だそうです。女性が83.82歳、男性は77.19歳で前年調査より更に延びています。その原因については、いろいろな事が考えられますが、以前から世界的に注目されているのが、日本型食生活です。お米でエネルギーを、豆で高タンパク質をという昔の知恵が現代に生きているのです。日本型の食生活、つまり和食の蛋白質源は、一に大豆、二が海産物でした。豆を使った優れた加工食品は、沢山ありますが、煮豆は素朴な料理ですが、豆の素直な調理方法で、すっかり食生活に溶け込んでいます。しかし家庭で調理するには、些か時間がかかりますが、街には専門の煮豆の職人さんが作ってくれた美味しい煮豆があります。種類も昆布豆、ぶどう豆、うずら豆うぐいす豆、お多福豆、ふき豆など沢山あり、味付けもそれぞれ作る職人さんの特色があり、好みに合ったものが選べます。専門の煮豆屋さんが、多くの家庭から親しまれるようになって来たのは、大正の末から昭和にかけてです。ちょっと豆の渡来を覗いてみましょう。大豆文化が日本にやって来たのは、食べ物史によれば縄文末期の稲作と一緒に渡来しています。トップをきって日本列島上陸を果した大豆を筆頭に、時代を追って次々と多種多様な豆が渡来し、豆食文化に厚みを加えることになります。豆は健康な体力づくりの源だけではなく、いろいろな薬効成分が、たっぷり含まれています。“鬼は外、福は内”と節分には、鬼に豆を投げつけて邪気を払いますが、これは豆がいかに健康管理によい食べ物であるかという昔の人の生活の知恵を表した行事の一つです。現代では、医食同源を基本に沢山の薬効が知られています。




豆の種類






黒豆
虎豆
青えんどう
大福豆
白花豆
大正白金時






大正金時
うずら豆
赤えんどう
大豆
あずき
ささげ

豆は5種に大きく分けられます
大豆類
小豆類
いんげん豆類
えんどう豆類
そら豆類
雑豆とは大豆、落花生、緑豆を除いた豆類総称した呼名です。
 大豆は5〜6千年前の縄文時代にすでに食用されていました。長い歴史の流れの中で大豆は豆腐、味噌を始め加工食品文化の主柱となっています。新しい食生活に合った食べ方も工夫され和食、洋食、中華食はもとより広くエスニック料理など大変に身近な豆です。原産地は中国の東北部で、生産量も世界一です。日本国産大豆は全消費量の4前後で,多くはアメリカからの輸入です。次いで多いのが中国からです。
乾燥した大豆の主成分は蛋白質が35.3%、脂質19%、糖質23.7%です。
分類として、色別に白大豆、黄大豆、青大豆、褐色大豆、黒大豆などあります。
加工食品には、煮豆の黒豆、湯葉、豆腐、味噌、醤油、納豆、羊羹など沢山あります。
 小豆は雑豆の中で一番需要と供給が多く、投機の材料にもなっています。 種類は大納言、中納言、小納言、円葉、早生大粒などがあります。大納言は小豆の中で一番粒が大きく高級品とされています。原産地は中国で、日本には3世紀頃の女王卑弥呼の時代に渡来しています。赤い色が神秘的な力を秘めていると考えられ、古くから祝い事や祭事に使われています。成分は乾燥小豆で蛋白質20.3%です。薬効としては特にサポニンが多く、腸を刺激しますので便秘に良いとされています。精神を安定させるカルシュームや鉄分、ビタミンBも沢山含まれています。小豆の加工品は製餡や菓子などを始めとしてご婦人にフアンの多いものが沢山あります。
いんげん豆は品種の一番多い豆です。主な品種には金時豆、手亡、大福豆、花豆、白花豆、うずら豆、虎豆などがあります。成分はいずれもにかよっており、澱粉が60%近く、蛋白質は20%程度で、脂肪は少ないのです。その他にカロチン、カルシューム、カリウム、リンなどが比較的多く含まれています。原産地は中部アメリカ、メキシコと言われています。日本への渡来は、1654年に隠元禅師が中国から持ち帰ったとされたことからインゲン豆と呼ぶようになったという説があります。日本での主産地は北海道です。本格的に栽培されるようになったのは明治なつてからです。
 えんどう豆は青、赤、白の三種類があります。日本での産地は各地で栽培されていますが、北海道がもつとも多いのです。原産地は西アジアに野生していたものをアーリア人によってヨーロッパに持ち込まれ栽培するようになったとされています。日本への渡来は、
806年頃に空海(弘法大師)や最澄が唐から持ち帰ったようで、937年頃に書かれた日本最初の漢和辞典に「腕豆」(エンドウマメ)の和名として「及良未女」と記されています。
1585年の天正13年の豊臣秀吉が関白になった頃に「腕豆」の名が出てきます。
成分としては、蛋白質21.7%、糖質54.4%、ビタミンBが乾燥豆には含まれています。
 そら豆は東南アジアや北アフリカが原産地です。世界の栽培面積の65%程がアジアで 約20%がヨーロッパで栽培されています。日本への渡来は729年頃の唐文化の影響を受けた天平文化の時代からと思われますが、広まってくるのは、1596年豊臣秀吉が朝鮮に派兵をした頃に、明の使節か朝鮮から帰国した兵士が持ち込んだものと見ることも出来ます。唐を転じて空豆となったという説もあります。良く知られている煮豆のお多福豆は、 大きな粒がおたふくの顔に似ていることで、福を多く招く縁起の良い豆として親しまれています。
(栄養成分は四訂成分表・資料協力・(財)日本豆類基金協会)
(製作・著作・日本食品新聞社・武田平八郎)
次回につづきます